毎日暗活!暗渠ハンター (旧『東京Peeling!』)

『暗渠マニアック!』著者・中級暗渠ハンター(自称)髙山の書きなぐりメモブログ。中級とは上下の概念でなくどっちつかずの曖昧な(あやしい・胡散臭い)もの、というニュアンスでご理解ください。トークや展示などの告知もここでしていきます。以前まで『東京Peeling!』というタイトルで綴ってましたが容量限界に伴ってこちらに移動。

『ALTスケール』で暗渠を味わおう!「7 かざり」

暗渠鑑賞ツール
『暗渠鑑賞に、あると便利な「ALT(Ankyo Landscape Tasting)スケール」』。
とうとう今回最終回までこぎつけました。
まずは、過去の項目を以下に整理しておきますね。

キャプチャ
1 出会い
2 見渡し
3 囲み
4 うわべ
5 枯れ
6 芽ぐみ
7 かざり(今回)
ってわけで、いよいよ最後の「7 かざり」を解説します。

「かざり」とは、暗渠の付帯物に着目しての暗渠の味わい方。
暗渠サインを見つけ愛でる行為はすべてこのカテゴリーに入ります。
また暗渠サインではなくとも、暗渠にありがちな粗大ごみや放置物、
そして猫のいる暗渠、「ニャン渠」なんかもここ。
このへんのことは、
「占渠(倉渠・廃渠・ニャン渠・バル渠…)」
というくくりで何度かトークを組んだことがあるのですが、
内容はまた別の機会でご説明しますね。
とにかく、実例を見て参りましょう。

まずは暗渠サインの代表格、橋跡。
IMGP8426

ここまで立派な橋跡は都内でも珍しかろう、
と先日のNHK「ひるまえほっと」でもイチオシでフィーチャーしてもらいました。
まあその他暗渠サインに関してはキリがないので
冒頭ご紹介したリンク先での説明に変えさせていただきます。

今年消滅してしまったこれも、「かざり」の範疇ですね。
IMG_2132

神田川笹塚支流の動物たち。
残念でなりません。

三次元的に暗渠上まで飾るものもありますね。
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板橋は前谷津川緑道の「ホネ」エリア。
なんだかSFチックです。

その他、暗渠に雑多なもんが置かれて「廃渠」状態になっているものも味わいが深いですね。
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那覇のガーブ川の支流を遡っていたら出会った物件。
「芽ぐみ」との合わせ技ですね。

古い笹で埋もれている世田谷は砧の暗渠。
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あるくとかしゃかしゃ音がして、水を分け入って進むような気分になる暗渠です。

これは車止めなんだか障害物なんだか廃棄物なんだか。
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野川の支流の暗渠です。


その他、クルマが乗っかってるとか(松庵川)。
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タライとか(田柄川の支流)、スコップとか(滝の川の支流)。
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街の掲示板とか。(江戸川区)
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背伸びして裏を覗くとまた別のもんがかざってあります。これも廃渠的でよい。
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そうかと思うと健全な経済活動に役立っているケースもありますね。
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そしてガーデニング的なふうに勝手に使われていたり洗濯ものが干してあったり。
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ともに名古屋の中井筋です。

そして最後の事例はニャン渠。
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どれも、暗渠だけの景色に、さらに新たななにかを生み出しています。
これが、「かざり」のちから。それを読み解くのが、「かざり」の味わい。


はあ。ALTスケール解説、なんとか今年中に終わったか、と。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

『ALTスケール』で暗渠を味わおう!「6 芽ぐみ」

暗渠鑑賞ツール
『暗渠鑑賞に、あると便利な「ALT(Ankyo Landscape Tasting)スケール」』。
意欲的な連投で「6 芽ぐみ」を解説します。

これは、暗渠で芽吹く植物たちがつくる風景を愛でるものです。
植物そのものを愛でてもよいのですが、ここではあくまで主役は暗渠。
なのでそんなふうに定義しておきます。

季節の花などの植物や苔、それらと暗渠のコラボレーションの愉しみ。
見慣れた暗渠も芽ぐみで変わる。

まずは以下の2物件。
これまでの暗渠トークや寄稿などでも多く使ってきたものです。

きんもくせい

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上は蓋暗渠にきんもくせいの花びら散る奇跡の1枚。
下はおなじく山茶花の花びらが。じつはこれ、数m離れてはいますが同じ暗渠なんです。
そう、桃園川の卯ノ木遊歩道。
(きんもくせいは数年前にばさっりなくなっちゃいました)
当然ですが、同じ暗渠とはいえ芽ぐみで全く印象が変わりますね。
花びらや葉っぱがかかるトッピング系であといくつか。

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こちらは東井堀の八重桜並木。
長い区間にわたって花びらが暗渠上に散り、
暗渠に花筏を描いています。

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こちらは江戸川区、長島川につながる長島香取神社境内の支流。
イチョウの葉が輝き、黄昏に染まる水面のようです。

また、これらのように量がなくても、暗渠にじゅうぶんにアクセントを添えることもあり得ます。
たとえばこんな。
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横浜は港北区から流れ来る滝の川の支流。
季節は春から初夏にかけてだったから、バラだったかな…。
枯れかかった落ち花とはいえ、灰色の蓋にエクボのように映えています。

さて以下はトッピング系ではなくほんとに生えてる系で。

まずはこれ。
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これは目黒区羅漢寺川の支流。
MIZBERINGの時も使った、お気に入りの風景です。
花の名前は…いつも忘れちゃうんだけど、スイートアリッサム、だったけな。
暗渠脇を、地味ながら静かに彩る感じで素敵です。

そしてこんなのも。
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アジサイが咲き乱れる滝の川の支流。
アジサイってデカいから、視界を邪魔するんですけどそれがまたかわいいです。
(私の誕生日前後はアジサイの最盛期なので、アジサイはかなり親しみのある花!)

そして今アツい金太郎とバラ。
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あとは名前も語らずぱらぱらぱらっと並べちゃいますが、
こんな「芽ぐみ」たち。
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花でなくても、葉っぱでも。
アジアンタムは結構暗渠に多いですよね。
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そして、華はなくともやっぱ苔、です。
苔と暗渠の相性は最高、だと思います。
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それとね、
雑草とか、その、無造作にほっぽっとかれていろいろ生え放題、
っていうのもいいですよね。
前回の「枯れ」ともつながります。
枯れてないけど、ほっぽっとかれてるという意味での枯れ。
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以上、「芽ぐみ」の解説でした。
いままでで一番はなやかだったかも。











『ALTスケール』で暗渠を味わおう!「5 枯れ」

というわけで、間が開きましたが
暗渠鑑賞ツール
『暗渠鑑賞に、あると便利な「ALT(Ankyo Landscape Tasting)スケール」』。
今日は「5 枯れ」を解説します。

キャプチャ

✳︎
枯れ、とは経年劣化です。
経年変化でなくあえて劣化、としました。
欠損、ひび割れ、摩耗、錆び、変色などなど。
古くなるにつれて劣化してくものが、暗渠に見当たるかどうか。
それに価値を見出すかどうかは観る人次第です。
もちろん、私は、劣化ポイントがあるほうが価値があるとみなしますが。

さて実例を見てみましょう。
まずはこれ。
菊坂下、東大下水の暗渠ですね。

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美しいカーブを描いて進む舗装暗渠。
時がこすりつけたその表面は、油揚げの焦げ目のような色ムラが刻まれています。
この古びて一様でないさまが素敵ではありませんか。

次図いてこちら。
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世田谷区・谷沢川の上流、桜丘3丁目の暗渠にかかる小橋。
さきっちょが欠けています。
もしかしたらコンクリの経年劣化というよりは、なにかがぶつかって欠けた
物理的な「損傷」なのかもしれないですね。
が、それもここに橋が存在する時間の長さがあってこそ、ととらえましょう。

そしてこちらは、「暗渠さんぽ」のnamaさんが「ゆるアスファルト」暗渠と呼んできたもの。
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これももちろん、経年劣化です。
アスファルトがだんだん沈んで、もともとあった水路の梁が浮き出てしまっていますね。
あるときまでは我々も「ゆるアスファルト」発見!などと見つけては喜んでtweetなどしたものですが、
「経年劣化!?ならば地域住民のためにすぐ改修せねば!」
みたいに、地方自治体係員の方の使命感に火をつけてしまうことになりかねないと気が付き、
それ以来みつけてもあまり声を大にして言わないようにしている物件です。

また目立つ箇所に劣化ポイントが観られなくても
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こんなふうに全体的に「時間経ってるなーこれ」と感じるものも、
「枯れ」の味わいに相違ありません。
もしかするとこのような物件は、単に「古い」からだけでなく、
「長い時間ほおっておかれている」という人々からの無関心や疎外が
「枯れ」味を紡いできたのかもしれませんね。
こちらは神田川と神田上水に挟まれた文京区後楽2丁目、谷戸ラブさんに教えていただいた暗渠です。

最後の例はこちらです。
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『暗渠マニアック!』で取り上げた、下野市の下谷田川(仮)の上流のいま。
昔はこのボックスカルバートに水が流されていたようですが、
御用済みである今は流れが枯れ、カルバートも荒れ放題、
手前のブロックは横に転がり落ちています。
諸行無常の響きがじわんと伝わってくる風景ですね。

以上、今回は「5 枯れ」の解説でした。

平井の本棚さんで地図だら。

日にちが前後してしまいますが、
12月8日の土曜日には、JR平井駅すぐの本屋さん「平井の本棚」の2階イベントスペースに遊びに行ってきました。
地図だら」。
千葉地図ラ―の会が主催するイベントです。
1時間に1本のペースで開催期間の金土日と、いろんなジャンルの話し手が登壇し、
幕間にあれこれとサロンみたいに、持ち込んだ飲み物食い物を頬張りながら勝手におしゃべりする、
という心地よいユルさの空間。
いろんなジャンルの地図好きが集まるので、知見も広がります。


そんな場に、私たち暗渠マニアックスもお邪魔しようと。
せっかくだから、手土産代わりに
『暗Q初級編』『暗Q上級編』(髙山)
『暗渠カレークイズ』(吉村)
を持ち込み、合間を見てやらせていただきました。
千葉地図ラーの会会長&副会長、わがままを受け入れてくださってありがとうございました!

(実は当日ほとんど写真を撮るもの忘れるほどハマっちゃいましたw)


で、1階の本やさんスペースでは、同時で地図本のフェアも展開されていました。
拙著『暗渠マニアック!』も並べてくださる、と伺って、
ごあいさつがわりに、遡ること2週間、11月25日に初めてこちらにお邪魔したのでした。
駅のホームからよーく見える好立地。
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お店構えもいいかんじです。
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わあ。ありがとうございます。
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そしてこの向かいには星羊社『はま太郎』コーナーも!
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親戚に街で偶然出会ったような嬉しさ。

さてここをお暇したあとは駅付近の暗渠をめぐってみたのですが、
なんと暗渠脇にこんなせんべい屋さんが。
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その名も「金太郎煎餅」!
ちょうど翌々週に「金太郎★見ナイト」があったので、
このお願い煎餅を来場者ノベルティのひとつにすることにその場で決定!
当日はこれをみなさんにお配りした、というわけです。
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杉並の金太郎とはずいぶんテイストが違うけど、要素はだいたい同じということで。




金太郎★見ナイト!

金太郎★見ナイト、おかげさまで無事終了しました。

マジ楽しかった…。
互いに調べた結果を持ち寄って、新しい真実(または仮説)を作る。

エキサイティングでしたねえ。
杉並区の金太郎を軸になんとまあ多様な・豊かな知のエクスチェンジができたことか(←おおげさw)。
みなさんのおかげで忘れられない夜になりました。

前日放映されたのNHK『ひるまえほっと』で、ちょっとだけ杉並区の金太郎の話になりました。
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そこでちらっと、金太郎及び私の書類
杉並区における金太郎プレート付車止めの分布と現状に関する報告書(金太郎レポート)
を映していただきました。(↑リンクから現物が見られますのでぜひ!)
そこでは「現存する金太郎は全部で55」と申したのですが、
その後このイベントの下打ち合わせで「ぜんぶで57」とわかり、訂正を加えています。
(この下打ち合わせ自体もものすごい楽しかったのです)

この日の登壇者は、そんな私のレポートなど軽く霞ませてしまうメンバーたちです。
バンギャで暗ギャのあげはさん、金太郎よりも乗られてるクマがツボのなぽりたんめんさん、
優秀な分析者RYOさん、そして元祖研究家の吉村さん。

会場ではあちこちに散らばっていた金太郎グッズを集めた物販も。
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そしてこれは、今回の記念展示物としてお借りした、Tさんの力作
「1/10スケール金太郎車止め模型・無彩色パイロット版」です。
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ビスの再現とか鬼。

会場の青二才さんは、この人ためにこんなメニューも用意してくださいました。
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「金時豆とチキンのカレー」はこちら。
蓋暗渠仕様、おまけにイカリングとゆで卵のマンホールまで付けて施工されています。
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そしてこちらが「煮干しが泳ぐ油素麺」。
開渠にさわやかに魚が泳いでいます。
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どちらも美味しかった…。

プログラムは、
・お店のご紹介
・吉村による前説トーク
あげはトーク
なぽりたんめんトーク
RYOトーク
吉村トーク
・会場クロストーク
と続きます。
最初に大きな3つの問い(以下)を設定し、これらに沿って話して・聞いてという進行になります。
・イラストのバージョンはいくつあるのか?
・イラストの違いは何に起因するのか?
・エリアによりどういう差があるのか?


私は進行と模造紙板書を担当したのですが(あ、あと合間の『金Q』ね)、
もう笑ったり感心したり考えさせられたりと
あっという間の2時間でした。メンバーも濃いけど中身も濃い!


こちらはなぽりたんめんさんの内容にあった写真。
有名な金太郎ですが、じつはよく見ると他の個体と全然違う成り立ちであることがわかります…。
びっくりしました。
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そしてこちらは、私も舌を巻いたRYOさんレポートの中の1枚。…ここまでやるかw
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そしてRYOさんさんマップ。
廃盤まで含まれているところがすごい!!
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みなさんの発表や会場からの情報を書きとめた模造紙。
なんやもうわからなくなってるけど、わかる人が見たらわかるはず!
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集まってくださったヘンタイのみなさん、ありがとうございました!
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最初の種蒔きからここまで育て上げた首謀者は、暗渠マニアックス吉村生さんです。
まさに吉村のライフワークである『桃園川・杉並・金太郎』のひとつの集大成でもあったのではないかと。
きっと感慨ひとしおのはず。身内どうしで何ですが、ほんとうにおつかれさまでした。
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