毎日暗活!暗渠ハンター (旧『東京Peeling!』)

『暗渠マニアック!』著者・中級暗渠ハンター(自称)髙山の書きなぐりメモブログ。中級とは上下の概念でなくどっちつかずの曖昧な(あやしい・胡散臭い)もの、というニュアンスでご理解ください。トークや展示などの告知もここでしていきます。以前まで『東京Peeling!』というタイトルで綴ってましたが容量限界に伴ってこちらに移動。

『東京人』暗渠特集号すこしだけ裏話。

9/3発売の『東京人』10月号は、なんと暗渠の特集号です。
雑誌で暗渠特集を組むのは私の知る限り「日本初」ではないかと思います。
新たな世界の始まりを告げる金字塔特集となるか、
もう二度とない幻の特集となるか。
いづれにしてもこれ、お手元に置いたほうが絶対にいい号であることは間違いありません。


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(『東京人』背表紙に「暗渠」って入るのも初めて!うれしい…)

特集は、まず下水道写真家の白汚零さんの写真。
そこに、詩人の小池昌代さんのテキストがオーバーラップして始まり、以降
85ページまで暗渠だらけ。
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小池さんが、我々とお会いしたときのことにも触れてくださっているのに感激です。
聡明で、そして子どものように好奇心が旺盛で、そして聞き上手。とても素敵な方でした。

そっからすぐに私達の出番。
まずはクラムボンの原田郁子さん・青葉市子さんとの暗渠めぐり&対談であります。
ミュージシャンである彼女らがどんなふうに暗渠を見つめ、受け入れるのか、ぜひお確かめください。
…取材中、暗渠での上で原田さんのふくよか元気ボイスや青葉さんの生ギター&生歌が聴けたことは、
望外の役得でありました。青葉さんは歩きながらフツーにギター弾いて歌うのであります!
このときのことは、ぜひ回を改めて触れてみたいです。
すごく楽しかった…。
たくさん写真も撮ったのですが、公開できるギリギリはこれか…。
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初台橋の上に置かれた青葉さんのギターと、通りすがりのチャリおばちゃん。
それとこれは、散歩後での対談のときに、
みんなの発言を髙山が板書代わりに書いたメモの断片…。
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本文と照らし合わせると、あ、このことか!?なんてふうに楽しめると思います。

今回の原田さん・青葉さんとの組み合わせは、杉並区でのこの企画が元になって実現しました。
杉並区さんにもお礼を申し上げます。ありがとうございました。
その後も我々、あちこちで書き散らかしております。
お勧め暗渠のコーナーでは髙山は蛇崩川、谷端川、そして葛飾「暗橋パラダイス」を取り上げました。
蛇崩川では、初めてその名を聞いたときの不思議な気持ちをベースに支流たちの話を。
谷端川では、ナメきっていた谷端川の奥深さを。実はタイトルの「U」はアンダードレインの暗喩だったりして。
葛飾では、私が考える最強の暗橋(あんきょう)、「野良暗渠」の布教記事wを書いてみました。

ともあれなにしろこの目次です。
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ご覧の通り、私たち以外の方々が珠玉の記事をぶちこんでくださって、
暗渠の愉しみを何倍にも広げてくださっております。
そうそう、昨年来の墨田区の暗渠仲間である旧水路ラボさんも
五間堀&六間堀の愛しさ全開の記事を披露されているのでこちらもぜひ注目を!

私は特に「世田谷区・板橋区・杉並区 環境と観光の資源に!」と題された、
各区の担当者に取材を重ねて矢部智子さんがまとめられた記事にちょっとアツくなりました。
お世話になった杉並区と板橋区のご担当のお言葉、とてもうれしいです。
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そして。掲載誌を見るまで知らなかったのですが、
今回の第二特集は『トキワ荘マンガミュージアム』なんですよねー。

実はここ、私が取り上げた谷端川の支流端の一つがこのはす向かいまで繋がっているのである。
知ってれば記事内で匂わせたのになー、なんて若干の後悔も。

稀有の暗渠特集、どうぞよろしくお願いいたします。

水が交換価値を得た時代や、春樹と水のことなど。

会社に置いてある自分の書庫(段ボールね)を久々に覗いたら目についたのがこれ。
『入り口を間違えた日本~日本人が「こうなった」のはなぜか〈上〉』
(カッパ・サイエンス―栗本慎一郎「自由大学」講義録)

出てすぐに買って読んだ覚えがあるので、1995年。
もう四半世紀前の本となってしまっていたのであった。
栗本 慎一郎さん含め、山口 昌男さんらの豪華講師陣による講義採録。
それを、つい出来心で、もう一度読んでみようかなあ、と手に取って再読してみたわけです。

そこで面白かったのが、加藤 典洋さんの項。
「エポケー」というフッサールの現象学でのモノの見方の話とか、
中央公論の目次をずらっと並べてみると時代によって「大」→「新」→「高」とかが目に付く話とか、
これらいろいろ応用できそうだったんだけど、
今の自分だからこそおもしろがれるトピックが、加藤さんの「水」にまつわる話。
その要点だけ意訳すると

①吉本隆明が「1973年にサントリーが天然水を発売。このときに水の価値が、マルクスで言う使用価値から交換価値に変わった」と言っていた。

②村上春樹の小説に登場する飲み物をリストアップしてみた(『風の歌を聴け』以降、『ねじまき鳥クロニクル』の間。当時は1994年の『ねじまき鳥』が最新刊!)。初期の都市小説であったころは圧倒的にビールである。しかし、都市小説→深層心理小説に変わる経過で変化があり、『ねじまき鳥』では、水がビールに取って代わっている。

という2点。

それらのどこがおもしろかったかっていうと、まず①。
すごい。
①がほんとうであれば、それはちょうど東京における主要河川の暗渠化がほぼ一段落するころですよ。
高度経済成長期以来、街をあげて「厄介者としての水」に蓋をする一大トレンドが収まったころに、
それと入れ替わるようにして「ただの水」が商品としての市場価値を持って登場してくる。
なにそれやっぱり、水の逆襲!? あっぱれお水様!
鳥肌が立ちますね。
すげえすげえと思って自分で裏どりしてみましたが、これは残念ながら誤記のようでした。
サントリーの天然水発売は、1991年のようです。
最も天然水で発売が早かったのは、ハウス食品の「六甲のおいしい水」でこれが1983年。
たぶん加藤さんか吉本さんの勘違いで、サントリー←ハウス食品、1973年←1983年となってしまった模様。
惜しい…。でもまあ、街から水面が消えて10年の時を経て、
水(ここでは飲料水だけれども、たぶん都市の構成要素としても)の価値が見直されてきた、
みたいなことは言えるでしょうね。

そして②。
そもそもこれを調べてみようと思ったこと自体がおもしろいじゃないですか。
こういう方法論、大好きです。なんか親しみを覚えます(←って25年前に読んでたはずだろ)。
村上春樹、あるいはその主人公たちが風景とともに切り取る「飲み物」。
思春期に読んだ初期作品の印象が強いので、
もうビールばっかりかな(よくてピナコラーダに変わる程度か)と思ってたんですが、
90年代に入るころには水だったんですね。
どういうメタファーなんだろう。
・酔わない飲みもの
・誰もがかんたんにアクセスできるもの
・心身の乾きを潤わせるもの
・からだの大事な構成要素=命に近いもの
・温度によって変幻自在に形を変えて私たちをいつも包み込むもの
・相を変えて常に世界を循環するもの
…いろいろ考えると、加藤さんご指摘の通り、
春樹小説の変化に伴って顕れることが多くなったアイテムの一つなのは間違いなさそうですね。

昔読んだ本も、今の自分のフィルターを通すとまた違った愉しみ方ができますな
というお話でした。

求喰川、読める人はそんなに多くないのでは。宇都宮の暗渠と祖母のことなど。

下野市に住む姉がLINEでこんな記事を送ってくれました。
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(下野新聞2020年8月9日 紙面より)
宇都宮市の求喰(あさり)川暗渠を辿る記事。
これに目をつけ、喜んで知らせてくれるくらいに姉も暗渠好きになってくれたようです。
こんなふうに、暗渠をきっかけに地元を再発見する、
まさに「FIND」な街歩きがあちこちで興ってくるのを眺めるのはとても嬉しいです。


さて、求喰川のことは、6年も前に私の宇都宮でのブログ記事にコメントしてくださった方から
とても詳しく教えていただきました。
教えてくださった「ああああ」さん、いまはどうされているのでしょう。
もしかしてこの下野新聞に出てくる案内人の坂本さんという方がそうではないか?
などと邪推してみたりも。

去年の夏にも、偶然ですが求喰川下流部の暗渠を見つけて歩いてきました。
(5年にいっぺん同窓会があるのでその時にしか宇都宮にはいかない、という…)
ここがまた素敵なんですよ。
いつか、『はじめての暗渠散歩』(ちくま文庫)で書いた蜆(しじみ)川とあわせて
なんか書きたいなあ、なんて思ってたくらい。
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暗渠の途中に建てられた看板。
はじめはこれが求喰川と気がついていなかったんですが、
これをみてああそうか!と。

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タクシーの車庫横を、いいかんじで蓋暗渠が抜けていきます。
宇都宮でこんな立派な蓋暗渠をみたのはこれがはじめてだったかも。

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廃渠となった蓋暗渠。


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神社の横。暗渠沿いには古い和菓子屋さんも。
ここで餡子は作ってないそうです。

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栃木名物、というかあまりにも栃木では普通の風景、大谷石の建物と暗渠。

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こんな素敵な場所が宇都宮にもあったのか…。
姉には、冒頭の記事の「前編」も送ってもらうお願いをしました。


親父から生前聞いた昔ばなしでは、
親父の母(私の祖母)の実家はこの求喰川の近く・釜川に合流した向こう岸(中河原という地名)で、
家の裏に釜川が流れていて、沿岸には銭湯もあった、とのこと。
そこで稼業としてゆでまんじゅう屋をやっていたと聞いています。
身内のいうことだからわかりませんが、
祖母はそのゆでまんじゅう屋の看板娘だったらしいです。
もちろん私はしわくちゃの祖母しか見たことはありませんが、
「その後大阪から流れてきた長谷川某が女学校に通う祖母に一目ぼれし、結婚」
ということになるらしいので、まあなんかイケてたのかもしれませんね。

私が生まれたときにはすでに祖父は亡くなっていたし、写真も残っていませんでしたが、
祖母は生前よく私の鼻をつまんで、
「これ、この鼻。おじいちゃんもこういう鼻してたんだよ」
と懐かしい目をしながら痛いくらい愛でてくれました。
祖母はすくなくとも、祖父の鼻にはぞっこんだったようです。
相思相愛のいいカップルだったのでしょうね。

さて今年、親父の初盆なのですが、申し訳ないけれど帰郷は自粛することに。
遠く東京から、遥拝することにします。
合掌。

板橋・仲宿のふるカフェで。

さきほど放映があったEテレ『ふるカフェ系ハルさんの休日』に出演させていただきました。
この方、そう「生まれも育ちも~」の葛飾柴又の谷口榮さんといっしょに、
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いまでとはちょっと違う絡み方での役を頂きました。
人呼んで「お粗末ブラザーズ」(観た方にだけわかるコンビ名)でございます。

今回の舞台は、レンガ造りのいい建物。
もとは米屋さん、今はおにぎりセットを看板メニューとするカフェです。
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中から入り口を。
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そしてこれは撮影用のおにぎりセット。
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私はリハ、カメラテスト含め合計4つのおにぎりを頂きました。
美味しかったです。ちょっと多かったけどw


二階。撮影当日は物置替わりに使わせていただきました。
ふだんはどうなっているのかな。


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『ふるカフェ~』の現場はコロナ禍のはじまり頃以来4か月振りでしたが、
撮影の方法がまさに「withコロナ」。
お店で、PCを前にしたハルさんとほんとにつないで撮影が進行します。
監督やプロデューサーはまた別の場所で、我々を遠隔操作。
てっきり別の日にバラバラで撮影するものかと思っていました。
すごいなあ、短期間でこんなやり方をあみだして
いろいろ試しながらも着々と香盤表をこなしていくスタッフの現場力と知恵。
プロ根性を目の当たりにして、感動ですよ。

ただ、自分のセリフがちょっとだけディレイしてイヤホンモニターに入ってくるのは
かなりやりずらかったですね。
これからの時代役者を続けるには(続けるんかよ)、
これを克服できるよう技を磨かんと…。


今回は、直接暗渠とお店の関係を語りはしませんでしたが、
古い米屋(このお店は元板五米店という米屋さん)・水車・暗渠の関係にふれました。

お店に比較的近い所には千川上水が流れていて、
このエリアだけでも数軒の水車がありました。
小坂克信『板橋区の水車(一)千川用水の水車』によると、
「田口(田留)」
「青山」
「河野」
「宮本(平尾裏) 通称喜奈古屋の水車」
「土合の青山」
などの水車があったそうです。
お店に最も近いのは、「宮本(平尾裏) 通称喜奈古屋の水車」。
場所は板橋3-6-3。このあたりです。
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水車の用途は一般に製粉(食物に限らず)、撚糸など様々ですが、
ここ「宮本(平尾裏) 通称喜奈古屋の水車」はしっかり精米(精白)用、だったとのこと。
やはり板五米店とは、関係があるのではないでしょうか。

「暗橋」分類、もっと更新しました。

2020.8.2再更新しました。

以前から、暗渠に架かる橋「暗橋」(あんきょう)についていろいろ書いております。
先日、暗橋の分類も定義したのですが、
ちょっと更新したのでここに残しておきます。

こちらが最新版。2020.8.2版
コメント 2020-08-02 091252


どこが変わったかというと、
・「野良」の中に「ステルス」という小項目が加わった。
・「囲われ」の中に「ピョン吉」という小項目が加わった。
・「暗橋」の中に「エア」という小項目が加わった
・「川にかかる橋」と「それ以外の橋」をまたいで「転生橋」を加えた。

です。

「ステルス」っていうのは、橋の床部分が残っているやつ。
例えばこんな。
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高さが数十センチの小さな欄干が残っているものもここに入れようかと思っています。

そして「囲われ」の中の「ピョン吉」は、こういうやつ。
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平面ガエル」ならぬ「平面暗橋」ですね。
地面に平面として残っている暗橋。
そもそもこれを「囲われ」に分類するか「野良」に入れるか迷いましたが、
場所的には野良であってもここには「橋としての扱い」があり、
さらに「橋として後世に残す」意図がありありですよね。
なので「囲われ」に分類しました。

「エア」というのは、かねてからしらべていたこれ。
橋と名がつくのに水のない交差点。
これをここに位置づけました。



そして「川にかかる橋」と「それ以外の橋」をまたいだところに加えたのが
「転生橋」。
これは、跨いでいた川が違うもの、たとえば道に代わったもの、
つまり役割が転生したもののことで、首都高速にかかる中央区の松幡橋などがそうです。
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そしてこれらをもとにして、「野良暗渠」を中心にマッピングしたものがこれ。
精査の結果いくつか「野良暗渠」は入れ替えもあります。

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