暗渠鑑賞ツール
『暗渠鑑賞に、あると便利な「ALT(Ankyo Landscape Tasting)スケール」』。
意欲的な連投で「6 芽ぐみ」を解説します。

これは、暗渠で芽吹く植物たちがつくる風景を愛でるものです。
植物そのものを愛でてもよいのですが、ここではあくまで主役は暗渠。
なのでそんなふうに定義しておきます。

季節の花などの植物や苔、それらと暗渠のコラボレーションの愉しみ。
見慣れた暗渠も芽ぐみで変わる。

まずは以下の2物件。
これまでの暗渠トークや寄稿などでも多く使ってきたものです。

きんもくせい

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上は蓋暗渠にきんもくせいの花びら散る奇跡の1枚。
下はおなじく山茶花の花びらが。じつはこれ、数m離れてはいますが同じ暗渠なんです。
そう、桃園川の卯ノ木遊歩道。
(きんもくせいは数年前にばさっりなくなっちゃいました)
当然ですが、同じ暗渠とはいえ芽ぐみで全く印象が変わりますね。
花びらや葉っぱがかかるトッピング系であといくつか。

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こちらは東井堀の八重桜並木。
長い区間にわたって花びらが暗渠上に散り、
暗渠に花筏を描いています。

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こちらは江戸川区、長島川につながる長島香取神社境内の支流。
イチョウの葉が輝き、黄昏に染まる水面のようです。

また、これらのように量がなくても、暗渠にじゅうぶんにアクセントを添えることもあり得ます。
たとえばこんな。
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横浜は港北区から流れ来る滝の川の支流。
季節は春から初夏にかけてだったから、バラだったかな…。
枯れかかった落ち花とはいえ、灰色の蓋にエクボのように映えています。

さて以下はトッピング系ではなくほんとに生えてる系で。

まずはこれ。
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これは目黒区羅漢寺川の支流。
MIZBERINGの時も使った、お気に入りの風景です。
花の名前は…いつも忘れちゃうんだけど、スイートアリッサム、だったけな。
暗渠脇を、地味ながら静かに彩る感じで素敵です。

そしてこんなのも。
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アジサイが咲き乱れる滝の川の支流。
アジサイってデカいから、視界を邪魔するんですけどそれがまたかわいいです。
(私の誕生日前後はアジサイの最盛期なので、アジサイはかなり親しみのある花!)

そして今アツい金太郎とバラ。
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あとは名前も語らずぱらぱらぱらっと並べちゃいますが、
こんな「芽ぐみ」たち。
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花でなくても、葉っぱでも。
アジアンタムは結構暗渠に多いですよね。
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そして、華はなくともやっぱ苔、です。
苔と暗渠の相性は最高、だと思います。
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それとね、
雑草とか、その、無造作にほっぽっとかれていろいろ生え放題、
っていうのもいいですよね。
前回の「枯れ」ともつながります。
枯れてないけど、ほっぽっとかれてるという意味での枯れ。
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以上、「芽ぐみ」の解説でした。
いままでで一番はなやかだったかも。